愛知県議会 2022-06-23
令和4年県民環境委員会 本文 開催日: 2022-06-23
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県民環境委員会 本文 2022-06-23
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発言者一覧 選択 1 : 【
神谷まさひろ委員】
選択 2 : 【多
文化共生推進室長】
選択 3 : 【
神谷まさひろ委員】
選択 4 : 【多
文化共生推進室長】
選択 5 : 【
神谷まさひろ委員】
選択 6 : 【多
文化共生推進室長】
選択 7 : 【
村瀬正臣委員】
選択 8 : 【
文化財室長】
選択 9 : 【
村瀬正臣委員】
選択 10 : 【
文化財室長】
選択 11 : 【
村瀬正臣委員】
選択 12 : 【
文化財室長】
選択 13 : 【
村瀬正臣委員】
選択 14 : 【
文化財室長】
選択 15 : 【
村瀬正臣委員】
選択 16 : 【
加藤貴志委員】
選択 17 : 【
学事振興課長】
選択 18 : 【
加藤貴志委員】
選択 19 : 【
学事振興課長】
選択 20 : 【
加藤貴志委員】
選択 21 : 【
学事振興課長】
選択 22 : 【
加藤貴志委員】
選択 23 : 【
学事振興課長】
選択 24 : 【小木曽史人委員】
選択 25 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 26 : 【小木曽史人委員】
選択 27 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 28 : 【小木曽史人委員】
選択 29 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 30 : 【小木曽史人委員】
選択 31 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 32 : 【小木曽史人委員】
選択 33 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 34 : 【小木曽史人委員】
選択 35 : 【私学振興室長】
選択 36 : 【小木曽史人委員】
選択 37 : 【県民生活課長】
選択 38 : 【小木曽史人委員】
選択 39 : 【県民生活課長】
選択 40 : 【小木曽史人委員】
選択 41 : 【県民生活課長】
選択 42 : 【小木曽史人委員】
選択 43 : 【県民生活課長】
選択 44 : 【小木曽史人委員】
選択 45 : 【青山省三委員】
選択 46 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 47 : 【青山省三委員】
選択 48 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 49 : 【青山省三委員】
選択 50 : 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
選択 51 : 【青山省三委員】
選択 52 : 【私学振興室長】
選択 53 : 【黒田太郎委員】
選択 54 : 【多
文化共生推進室長】
選択 55 : 【黒田太郎委員】
選択 56 : 【多
文化共生推進室長】
選択 57 : 【黒田太郎委員】
選択 58 : 【多
文化共生推進室長】
選択 59 : 【黒田太郎委員】
選択 60 : 【神野博史委員】
選択 61 : 【多
文化共生推進室長】
選択 62 : 【神野博史委員】
選択 63 : 【多
文化共生推進室長】
選択 64 : 【神野博史委員】
選択 65 : 【多
文化共生推進室長】
選択 66 : 【神野博史委員】
選択 67 : 【高木ひろし委員】
選択 68 : 【人権推進課長】
選択 69 : 【高木ひろし委員】
選択 70 : 【人権推進課長】
選択 71 : 【高木ひろし委員】
選択 72 : 【人権推進課長】
選択 73 : 【高木ひろし委員】
選択 74 : 【人権推進監】
選択 75 : 【高木ひろし委員】 ↑
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ヒットへ (全 0
ヒット) 1: (主な質疑)
《一般質問》
【
神谷まさひろ委員】
本年度に日本語学習支援基金の第3次造成がされ、基金の目標は県が5,000万円、寄附が5,000万円の合計1億円であった。2008年の第1次造成では、寄附のみで2億4,500万円であった。2016年の第2次造成では、県が7,500万円、寄附が7,500万円の合計1億5,000万円であった。第1次造成から第3次造成の間に、基金の目標が減額した理由を伺う。
2: 【多
文化共生推進室長】
公益財団法人愛知県国際交流協会に設置している日本語学習支援基金は、出入国管理及び難民認定法の改正による定住外国人の増加を受け、本県がその雇用主である経済界に協力を要請し、全額、企業からの寄附により2008年につくられた。その後、事業の継続が求められる中で、県と企業が2分の1ずつを負担し、2016年に再造成され、本年度、同様の負担割合で、第3次造成基金を造成し、地域の日本語教室に対する助成を継続することとなった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、業績が悪化する企業もあり、寄附が以前よりも難しくなると予想されたことから、基金の目標総額は第2次造成の1億5,000万円から5,000万円減の1億円とし、県がその2分の1を負担することとなった。
3: 【
神谷まさひろ委員】
助成金が減額したことにより、これまでの支援と本年度の支援で違いはあるのか。
4: 【多
文化共生推進室長】
基金造成金額の縮小により、助成対象の日本語教室の数を維持した上でこれまでどおりの助成を行うことは困難であることから、本年度、助成額の見直しを行う。
具体的には、2020年度は1教室2万円、昨年度は1教室1万7,000円を助成していたが、本年度は1か月5,000円から1万7,000円までの間で、1か月の学習者の延べ人数に応じて助成する。
また、寄附をしている企業からの意見を反映し、就職、進学に向けたキャリア支援の取組を新たに助成対象として、1回当たり3,000円を助成することとした。
5: 【
神谷まさひろ委員】
これまでの基金事業の成果として、2008年度に基金事業が始まってから14年間で支援する日本語教室は90を超えるまでに増加し、延べ1万7,500人以上の外国人児童生徒が基金の支援を受けた日本語教室や外国人学校で日本語を学習した。また、日本語教室や外国人学校で学習した延べ610人の外国人児童生徒が日本語能力試験に合格し、うち約3割の児童生徒がレベルN1、レベルN2に合格している。
この基金事業は、子供たちの日本語を学ぶ機会を提供するだけでなく、居場所を提供する非常に意義のある事業だと思う。
寄附に頼る財源では、支援を受ける教室側も支援額が毎年不安定になり運営に不安があるため、寄附に頼らない制度に改めるべきと考えるが、どう考えているのか。
6: 【多
文化共生推進室長】
日本語学習支援基金は、日本語教育に対する国の制度が整備されていない中で、企業等の協力の下で造成された。2019年に国の補助事業が整備され、本県も2020年度から愛知県地域日本語教育推進者補助金をつくり、市町村及び市町村の国際交流協会が行う地域日本語教育事業に対して事業費の2分の1を助成することとなった。この補助金を活用し、地域日本語教室への支援を行うなど、日本語教育の推進に取り組む市町村が少しずつ増加している。
また、本県では、本年3月に愛知県地域日本語教育の推進に関する基本的な方針を策定し、企業からの寄附に頼らず、行政の支援の枠組みにおいて地域日本語教育を推進することが重要であると認識しており、この方針の中で、社会インフラとしての地域日本語教育について、行政が主体となって取り組むことを明記した。
このため、本県の補助事業の活用促進を図ることにより、各市町村が主体となって国際交流協会やNPO等と連携、協力して地域日本語教育が推進するよう働きかけていく。
7: 【
村瀬正臣委員】
文化財には有形文化財、無形文化財、民俗文化財や記念物など様々な種類がある。こうした文化財の分類には含まれていないが、文化財保護法が保護の対象としている文化財の保存技術について伺う。
文化財の保存技術は、文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術や技能で、その技術や技能を守るために措置を講ずる必要があるものであり、国が選定した個人は選定保存技術保持者、団体は選定保存技術保存団体と言われている。
文化財を適切に保存していくためにはこうした技術が不可欠であり、行政もできる限りの支援を行い、その技術を伝承していく必要があると考える。
そこで、選定保存技術保存団体である全国文化財壁技術保存会に対してどのような支援を行っているのか。
8: 【
文化財室長】
全国文化財壁技術保存会に対しては、選定保存技術の保護のため、国の補助により自らの記録の作成や伝承者の養成、技術の向上等の事業に対して必要な支援が行われている。
具体的には、伝承者の養成に必要な実技実習や座学等を行う研修会の開催、過去に技術試験を受講した人を対象とした技術、技能の腕を磨くための実技実習や座学の実施、原材料や用具の確保などに対して国が補助金を交付している。
この補助金は、団体が選定保存技術保存団体に選定された2002年度から継続して行われており、昨年度までの20年間の累計補助額は約1億3,000万円である。本年度も同様の事業に対して850万円の補助金が交付決定されている。
9: 【
村瀬正臣委員】
国が補助金で支援をしているということだが、本県や江南市が行っている支援はあるのか。
10: 【
文化財室長】
本県や江南市は、特段の支援は行っていない。
11: 【
村瀬正臣委員】
国の補助で行われている伝承者養成研修は、どこで開催されているのか。あわせて、場所や開催形式等も伺う。
12: 【
文化財室長】
過去2年間は、コロナ禍で研修会は開催されていないが、2019年度は前期研修として8月に連続6日間、後期研修として10月に連続6日間、研修会を行っている。前期、後期とも場所は関西で開催されており、京都府や滋賀県のホテルで座学、兵庫県、京都府、滋賀県にある壁技術保存会の会員企業で実技実習や見学、兵庫県や滋賀県で重要文化財建造物の見学など、開催場所や形式は様々である。
13: 【
村瀬正臣委員】
壁技術保存会から話を聞くと、現場で伝承者を育成する場所や施設が少なくなってきているとのことである。社屋や工場などの建物を建てる際の規制緩和など、選定保存技術の伝承に必要となる場所のハード事業に対して支援の仕組みはあるのか。
14: 【
文化財室長】
ハード事業への支援だが、国、県、市の文化財補助制度では、文化財として指定された建造物の修繕等に対する補助はあるが、保存技術等の無形文化財の伝承等で必要となる建物を建てる場合に対する支援、あるいは建物を建てる場合の規制緩和等の仕組みはない。
15: 【
村瀬正臣委員】
伝統技術の伝承がなければ日本の国宝や重要文化財の保存・改修工事はできなくなる。先端の技術、産業ばかりでなく、日本古来の伝統技術を継承していくためにも、本県として支援ができるよう調査研究してほしい。
16: 【
加藤貴志委員】
愛知県立芸術大学美術学部メディア映像専攻について、募集人員、志願者は何人だったのか。また、志願者の県内外の内訳はどうか。
17: 【
学事振興課長】
愛知県立芸術大学において、メディア映像専攻は本年4月から開設し、その入学試験は昨年度実施した。
募集人員は10人で、この10人に対し志願者は79人だった。志願者の内訳であるが、県内からが30人、県外からが49人で、県外志願者については、北海道から沖縄県まで全国各地からの応募があり、新しく開設したメディア映像専攻に関心を持ってもらえたと考えている。
18: 【
加藤貴志委員】
本年度4月の新入生は、現在どのような施設や機器を使って何を学んでいるのか。また、卒業までどのようなことを学んでいくのか。
19: 【
学事振興課長】
教養科目と併せて、1年次から専門科目についても学ぶカリキュラム構成となっている。1年次はメディア映像表現に必要となる造形力を身につけるための演習を中心としたカリキュラムに取り組むこととなっている。
2年次には、メディア映像に関する専門的で幅広い技術の習得を目指し、各種の演習に取り組んでいく。3年次からはアニメーション表現研究、コンピューターグラフィック、CG表現研究、映像表現研究、メディアアート研究、メディア企画研究、デジタルアーカイブ研究の六つの研究分野のゼミナールに所属し、教員とコミュニケーションを取りながら専門領域の制作研究を進めていくとともに、新しい資材や施設、機材を自由に使い、展示などのアクティビティに取り組む。そして、4年次には完成度の高い卒業制作に挑んでもらう。
次に、学生の具体的な学習内容であるが、本年4月に入学した新入生は、コンピューターを使い、3次元の画像や3Dプリンターなど最新の技術を用いて、新たなメディア映像表現による芸術分野の創造を学んでいる。
また、新設した映像スタジオや演習室において、メディア映像の制作技術、CGを利用した最新の映像表現を習得する。
メディア映像専攻としては、卒業までにコンテンツを制作するための技術と質の両面をしっかりと習得し、例えば、アニメーション映画を企画の段階から一つの作品として形にできるよう、自主的に制作や研究が進められるメディア映像のスペシャリストを育成するための教育を進める。
20: 【
加藤貴志委員】
芸術は実践発表の場があってこそ技術が磨かれると考えている。そのため、他人に評価してもらえる作品発表の機会が必要であると思うが、例えば学内で学生によるコンペを開催し、外部の企業と提携して成果を発表する取組などは考えているのか。
21: 【
学事振興課長】
映画、アニメーションなどに代表されるコンテンツ産業は、IT産業の急速な進展を背景に、今後ますます高い成長が見込まれる産業の一つである。
一方で、関連企業の多くが首都圏に集中しており、県内では、学生が作成した映像などを発表するのに適した場が少ない。
そのため、メディア映像専攻においては、学生が制作した映像コンテンツについて、県外、海外で開催されるコンテスト等に積極的に応募していくことを検討している。
また、学内における発表の場として、授業の一環で学生が制作したコンテンツを展示するコンテスト、発表会の開催を検討している。なお、学内のコンペについても、将来的に検討していきたい。
22: 【
加藤貴志委員】
4年間で勉強することはもちろん大切だが、卒業という観点での就職口の確保は非常に重要である。県内、国内のみならず、国際的にも活躍できる人材育成は非常に重要であるが、学生の卒業後の就職についてはどのように考えているのか。
23: 【
学事振興課長】
卒業後の就職先については、テレビ局、CGや映像のプロダクション、ゲーム会社、その他の情報産業などを想定している。
現在は、テレビ局でリアルタイムの配信、ゲームのリアルタイム配信での合成など、最先端の分野で新しい人材が求められており、こうした分野に人材を輩出していきたいと考えている。
学生に対する就職支援については、キャリアガイダンスや就職説明会の開催をはじめとし、テレビ局、映像のプロダクション、ゲーム会社、その他情報産業などに対し、大学職員が企業訪問などを実施して採用の働きかけを行う予定である。
メディア映像の分野において、県内、国内さらには国際的に活躍できるような人材を輩出できるように指導、教育を行っていきたいと考えており、本県もしっかりと支援していく。
24: 【小木曽史人委員】
私立高校での海外留学時における犯罪被害等への注意喚起、いわゆるガイダンスについて伺う。
県内の私立学校では海外留学に力を入れて取り組んでいる高校等があるが、私立高校等の生徒が留学する際、生徒の氏名や渡航先等の情報について私学振興室は把握しているのか。
25: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
私立学校の児童生徒が留学、修学旅行などで海外に旅行する際には、その学校から行き先、期間、人数、緊急連絡先等を記載した旅行届を出発日の25日前までに私学振興室に提出することになっている。
この届出により、私学振興室でも旅行内容を把握しているが、生徒の氏名については届出内容となっていないため把握していない。
26: 【小木曽史人委員】
学校から提出される旅行届について、私学振興室はどういった処理をしているのか。
27: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
旅行届については、外務省と文部科学省に報告し、渡航先で事件、事故等に巻き込まれたときのために情報共有している。
28: 【小木曽史人委員】
最近の海外留学等の実績はどうなっているのか。
29: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
コロナ禍前の令和元年度は約120件の届出があったが、令和2年度と昨年度は1件である。本年度は現時点で7件の届出が提出されている。
30: 【小木曽史人委員】
海外留学情報は旅行届によって把握しているということだが、留学中、犯罪等に巻き込まれた事案は把握しているのか。把握しているのであれば、その実態はどうなっているのか。また、県内私立高校等に在籍する生徒が被害に遭った事案は把握しているのか。
31: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
生徒等の生命、心身、または財産に重大な被害が生じた場合には、学校から本県に報告する必要があるが、過去5年間で報告はない。
32: 【小木曽史人委員】
国内ではインバウンドの受入れが拡大しつつあり、私立高校で、既に本年度7件の届出があるとのことだが、今後、海外留学等も件数が増えてくると予想される。
海外に留学するに当たっては、行き先により治安に不安がある地域もあり、様々な犯罪等の被害に遭う可能性がある。
まずは安全確保という観点から、留学前に犯罪等の被害リスク、実際に被害に遭った場合の対処として事前にしっかりガイダンスをしておくべきと思うが、現状、留学を進める私立高校はどのようなガイダンスを実施しているのか。また、私学振興室はどのように関わっているのか。
33: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
令和元年5月に、私立学校に対して海外渡航する児童生徒の安全を確保するため、生徒、保護者に対して外務省海外旅行登録、いわゆるたびレジへの登録を指導するよう通知した。たびレジに登録すると、安全情報をメールで受け取れるほか、緊急時の連絡、安否確認、支援などが受けられる。また、外務省のホームページでは、留学する人に対して出発までの事前準備と滞在中のトラブル対策が掲載されているため、外務省のホームページから最新情報を入手するよう通知している。
34: 【小木曽史人委員】
実際に、私立学校の生徒がホームステイ先でホームファーザーから性的被害に遭ったという事例を聞いている。内容は強制性交までの被害ではないものの、わいせつ行為は数か月にわたり複数回続いたということだった。その生徒は、親に心配をかけたくない、せっかく留学できたのに途中で帰りたくないと思い悩み、誰にも相談できなかったという。
昨年3月にも文部科学省の留学支援制度で、留学した学生が性暴力を受ける事案が相次いだと、参議院の文部科学委員会でも取り上げられ、文部科学大臣も渡航前のオリエンテーションの充実や具体的なアドバイスが必要であるとしている。実態調査についても機会を捉えて精査し、積極的な啓発活動とともに安心して学生が留学できる環境を充実させる方策を検討していきたいと答弁した。
コロナ禍で海外留学はほとんど行われなかったが、今後増えると思われるこの時期に、性犯罪等の被害リスクや実際に被害に遭った場合の対処について、留学先の犯罪トレンドを踏まえたガイダンス内容を見直し、再度しっかりと説明するよう私立学校側に徹底すべきと考えるが、私学振興室の考えを伺う。
35: 【私学振興室長】
令和元年5月に海外修学旅行等の安全確保についての通知を行ったが、令和2年からコロナ禍でほとんど海外留学等が実施されてない。本年度は徐々に増えていくことが予想されるため、渡航前にガイダンスを実施して、改めて海外留学等の注意点などを生徒や保護者に説明及び周知したい。
36: 【小木曽史人委員】
先ほど、実際に発生したホームファーザーからの性的被害の事例について説明したが、過去5年間は私立学校からの報告はなかった。そのため、情報が上がって来ず、現状を把握できないところに非常に問題があると考える。
事前に身を守る方法や、被害に遭った場合どうすればよいのかなど、特に海外留学に力を入れている私立学校に対して、安心して学生が留学できる環境が整備されているのか、私立学校が事前にしっかり調査するよう県からも働きかけてほしい。
次に、あいち消費者安心プラン2024に掲げる高齢者等見守りネットワークの設置促進について伺う。消費者被害の相談件数の推移について、昨年度は2020年度と比較して若干減少しているものの、身に覚えのない架空請求などの相談、化粧品や健康食品などの試供品申込みが定期購入だったなどの相談は増加傾向にある。年代別では30歳未満の割合が上昇しており、インターネットを通じた副業に関する相談やSNSを介したトラブルの相談が多いことも挙げられる。
一方、70歳以上の高齢者の相談件数は減少傾向にあるが、相談内容としては、屋根の無料点検といって訪問しながら修理工事の契約を促す点検商法の相談や、不用品を買い取る名目で家に上がり込み貴金属を安値で買い取る訪問購入の相談が多数寄せられている。
あいち消費者安心プラン2024には、特に高齢者、障害者等、生活弱者の消費者被害を防止するため高齢者等見守りネットワークの設置促進を掲げているが、そもそも高齢者等見守りネットワークとはどのようなものか。また、これを設置することで高齢者等の消費者被害を防ぐことができるのか、目的と期待できる効果を伺う。
37: 【県民生活課長】
あいち消費者安心プラン2024における高齢者等見守りネットワークとは、消費者安全法に規定されている消費者安全確保地域協議会のことであり、地方公共団体の関係機関に加え、高齢者等の見守りに関わりのある福祉・医療団体、金融機関、事業者などにより構成される会議体である。
消費者安全確保地域協議会では、当該地方公共団体の区域における消費者安全の確保のための取組を効果的かつ円滑に行うため、消費生活上特に配慮を要する消費者である高齢者、障害者等の見守りなど、必要な取組を行うための情報交換や協議などが行われる。
設置による効果について、見守り活動に必要となる高齢者等の情報の目的外利用や第三者への提供は、個人情報保護法等において、原則本人の同意がなければ行うことができないとされている。他方、消費者安全法では、高齢者等見守りネットワークはその構成員から見守りに必要な情報の提供を求めることができる旨が規定されており、消費者被害が疑われる人の情報を本人の同意を得ずに構成員である消費生活センター等の機関につなげたり、構成員間で共有することで、早期の解決につながることが期待されている。
38: 【小木曽史人委員】
県内ではどの程度高齢者等見守りネットワークの設置が進んでいるのか。
39: 【県民生活課長】
本県においては、福祉・医療団体、消費者団体、金融機関等からなる愛知県高齢者等消費者被害見守りネットワークづくりのための関連団体連絡会議を2016年度に設置した。市町村においては、本年4月末現在で26市町において設置され、人口カバー率は77パーセントとなっている。
消費者庁は、地方消費者行政強化作戦2020において人口カバー率50パーセント以上を掲げており、本県はこれを上回っているが、本県の消費者安心プラン2024では2024年度末までに85パーセント以上を目標として掲げており、引き続き設置促進を図っていく。
40: 【小木曽史人委員】
人口カバー率では本年4月末現在26市町で77パーセントということであるが、海部地域、知多地域では設置が進んでいない。どのように考えているのか。
41: 【県民生活課長】
海部地域の7市町村と知多地域の6市町に共通する事情として、消費生活センターを広域で設置しており、市町村の消費者行政担当課において直接消費生活相談を受け付けていないことが挙げられる。
昨年度、市町村の高齢者等見守りネットワークの設置等に係る調査を行ったところ、これら地域からは、広域で消費生活センターを設置しており、構成市町との協議が必要なこと、近隣市町との歩調を合わせること、人員や財源の不足といった意見が寄せられている。
こうした中、知多地域においては昨年度、市内に消費生活センターがある半田市において高齢者等見守りネットワークが設置されたことから、海部地域等においても設置の可能性はあると考える。
42: 【小木曽史人委員】
設置が進んでいない地域に対して、今後、県はどのように設置を進めていくのか。
43: 【県民生活課長】
昨年度、見守り活動の参考とするため、県内の市町における高齢者等見守りネットワークの設置や取組の状況、他県の
先進事例等を掲載した高齢者等消費者被害見守りハンドブックあいちを作成した。今後は、このハンドブックを活用し、会議等の場において設置を呼びかけるほか、未設置の市町村を個別に訪問するなどして、高齢者等見守りネットワークの必要性を理解してもらい、新たな設置を働きかけていく。
44: 【小木曽史人委員】
高齢者や障害者等、消費生活上特に配慮が必要な人は、県内全域に存在している。消費生活センターを広域で設置していることで高齢者等見守りネットワークが広がっていかないということだが、相談したいが声が届いていないというケースが考えられる。そういった所にこそ、この高齢者等見守りネットワークを積極的に設置した方がよいと考える。
困っている人をいち早く救い上げるための高齢者等見守りネットワークを、県内全域に設置できるよう、県は具体的な手法を提示するなどして、市町村に働きかけるよう要望する。
45: 【青山省三委員】
私立学校は公立学校と異なり、学校法人自らの責任において運営されている。そのため、私立学校法等では、私立学校の自主性を尊重する観点から、文部科学大臣や都道府県知事といった所轄庁の権限が制限される。
一方で、学校において児童生徒に事故があった場合などは、公立、私立、関係なく取り組む必要があると思う。私立学校からしっかり報告がなければ、その後の対応を適切に行うことができない。いじめ重大事態に該当する場合には、いじめ防止対策推進法に基づき報告しなければならないが、いじめ重大事態に該当しない場合はどのような報告が必要となるのか。
46: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
文部科学省からの児童生徒の事件等報告書による児童生徒の重大事件等の報告についてという通知により、児童生徒が自殺した場合や、学校内外を問わず児童生徒が他の児童生徒等の命を奪う等、重大な犯罪または触法行為を起こした場合に報告書の提出を求めている。
文部科学省が定めた様式により、事件等の概要、発生日時、発生場所、事件等の経緯、事件前後の対応などを報告することとなっている。
47: 【青山省三委員】
こうした報告はどのような趣旨から行われているのか。
48: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
児童生徒等をめぐる重大事件や自殺等について、文部科学省において問題行動等の現状を適切に把握し、関連施策に生かす趣旨で報告を求めている。
49: 【青山省三委員】
児童生徒の自殺など重大事件があった場合については私立学校から報告してもらう必要があるが、実際に報告がされているのか心配である。報告はしっかりされているのか。また、報告されていない場合、どのような対応をしているのか。
50: 【私学振興室担当課長(認可・助成)】
学校から報告が行われず、マスコミの報道、保護者からの問い合わせなどの情報を基に学校へ確認した結果、事件が確認できたことも過去にあった。文部科学省からも、速やかに報告書の提出がされない事案が発生していることから再度周知徹底を図るための通知が、本年5月に発出され、私学振興室から各私立学校長に対して、報告書の提出を再度周知徹底した。
51: 【青山省三委員】
私立学校から児童生徒の事件と報告書の提出があった場合、再発の防止や不適切な状態を是正するためにどのような指導を行っているのか。
52: 【私学振興室長】
私立学校から事件等の報告書が提出された場合、まず、当該学校法人や学校に電話等で事実確認を行い、事の重大性によっては学校へ出向き現地確認等を行っている。また、事件等の発生原因や学校の対応に不備があった事案によっては、再発防止のための改善計画の提出を求めている。
私立学校という特性上、最終的には設置者の判断で対応することになるが、私学振興室としても法令等に基づいてできる限りの指導を行っていきたい。
53: 【黒田太郎委員】
ウクライナ避難民生活支援事業のうち寄附物品の配送について三点伺う。
まず、本県の配送支援を活用する場合、どのように手続を行えばよいのか。
54: 【多
文化共生推進室長】
寄附物品の配送支援は、駐日ウクライナ大使館から相談を受けた名古屋市内の企業が情報プラットフォームの構築に無償で協力しており、既に運用も開始されていることから、その仕組みを活用して実施するものである。
この情報プラットフォームは寄附をしたい人がウェブサイトから直接必要な情報を登録できる仕組みとなっており、物品を寄附する場合は、この情報プラットフォームに内容を登録してすることとなっている。
55: 【黒田太郎委員】
次に、避難民のニーズと寄附者の申出をつなぐマッチングについて、マッチングが成立した後の物品の配送はどのように行うのか。
56: 【多
文化共生推進室長】
避難民のニーズは、市町村や避難民の支援を行っているNPO等を通じて、聞き取りをしながら必要な物品のリストを本県で作成し、情報プラットフォームに登録する。その後、このプラットフォームを運用している企業に、寄附者とのマッチングを行ってもらい、マッチングが成立した際に、寄附者には物品を指定された保管倉庫等に届けてもらう。その後、プラットフォーム運用企業が寄附物品を県内各市町村の指定された場所に届けることとなる。
このように、寄附者との調整、物品の梱包、配送等の一連の業務を行ってもらうこととなる。
57: 【黒田太郎委員】
最後に、一連の業務について、企業に無償で協力をしてもらうのではなく、委託契約として対価を支払って実施するということでよいのか。
58: 【多
文化共生推進室長】
マッチングや梱包作業など一連の業務に要する人件費や配送費等の必要経費を積算し、委託業務契約を締結して実施していく。
59: 【黒田太郎委員】
避難民にとっては大きな苦難であるが、行政としては一つの貴重な機会ではないかと考える。
ノウハウの蓄積と分析をしっかり行い、ウクライナの避難民の苦難が少しでも小さくなるよう努め、今後、似たようなことが起きた場合、有効活用できるようにしてほしい。
さらに需要と供給に関して、今回情報プラットホームというシステムでマッチングをさせるというのは、記録が残ると思うので、避難民が欲しているもの、逆に寄附者からの供給が出やすかったものを把握し、今後のマッチングによるミスマッチを蓄積、分析により減らしていくことが大切だと思う。
60: 【神野博史委員】
ロシアによるウクライナへの侵攻に伴って、日本に避難したウクライナ人が1,000人以上おり、そのうち本県にも約60人が避難している。まず、ウクライナ避難民を支援するために、県全体としてどのような支援を行っているのか。
61: 【多
文化共生推進室長】
ウクライナ避難民の生活支援事業についてであるが、本県では、各局においてウクライナ避難民への支援に取り組んでいる。
県営住宅管理室では県営住宅の無償提供を行っており、現在4世帯が入居しているほか、就業促進課では外国人向けの就業相談窓口での相談対応、保健所では健康相談の実施などを行っている。
多文化共生推進室としては、寄附金を活用して生活一時金及びデータ通信に必要なプリペイドSIMカードを渡すほか、日本語学習の支援、寄附物品の配送支援等を行っている。
そのほか、公益財団法人愛知県国際交流協会に設置している外国人向けの相談窓口、あいち多文化共生センターにウクライナ語の通訳を1人配置し、相談対応を行っている。
引き続き関係機関と連携・協力し、避難民の支援に取り組んでいく。
62: 【神野博史委員】
寄附金の募集を行っているとのことだが、目標額はあるのか。また、現在の寄附の状況はどうなっており、集まった寄附金はどのように活用していくのか。
63: 【多
文化共生推進室長】
本県では、本年6月14日現在、名古屋市をはじめ10市において59人のウクライナ避難民を受け入れている。今後も増えることが予想されることから、100人程度の受入れを見込み、寄附金の目標金額は1,250万円としている。
寄附金は個人及び企業、団体を対象に5月30日から募集しており、個人ではふるさと納税サイトのさとふるも活用できる。昨日の時点で900万円を超える寄附の申込みがあり、集まった寄附金は1世帯当たり20万円の生活一時金と日本語学習などに必要なデータ通信のためのプリペイドSIMカードを渡すために使用する。
64: 【神野博史委員】
日本語学習の支援については各市町村で様々な取組がされており、東海市では国際交流協会を通じて、日本語学習教室を開催する等の支援をしているが、本県としては具体的にはどのようなことを実施するのか。
65: 【多
文化共生推進室長】
ウクライナ避難民を受け入れている市では、市の国際交流協会やNPOが日本語学習の支援に取り組んでいるが、決められた日に指定された場所に集まることができない人もいることから、本県では新たに週1回のオンラインによる日本語教室を15回程度開催する。
オンラインによる日本語教室では、その内容を多文化共生推進室のホームページに掲載し、後日好きな時間に視聴できるようにする。また、日本語学習に活用してもらうため、タブレット端末の貸出しも行う。さらに、国際交流協会やNPOが行っている日本語教室の多くは、無償で活動するボランティアが中心となって指導しており、全く日本語が話せない人などを対象にした初期日本語指導に必要な専門知識を持った人材の不足などの悩みを抱えていることから、ウクライナ避難民を受け入れている県内の日本語教室等に対して、日本語教育の専門家であるコーディネーターを派遣し、相談や助言などを行っていく。
ウクライナ避難民に寄り添った支援を行っていくため、市町村、NPO、協会等の関係者と連携、協力して取り組んでいく。
66: 【神野博史委員】
日本語学習の支援については、タブレット端末の貸与やオンラインによる15回の日本語教室など手厚い支援をしているということだが、避難民は異国の地へ来て大変心細いと思うので、できる限り手厚い支援を行うよう要望する。
67: 【高木ひろし委員】
本年4月1日から施行された、愛知県人権尊重の社会づくり条例の概要と、条例を踏まえて今後どのような施策を進めていくのか。
68: 【人権推進課長】
愛知県人権尊重の社会づくり条例は、全ての人の人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的とした包括的な人権条例として制定したもので、条例の目的や県、県民、事業者の責務などを定めている。
また、人権尊重の社会づくりに関する基本的施策等として、基本計画の策定や相談体制の整備について定めるほか、インターネット上の誹謗中傷、本邦外出身者に対する不当な差別的言動、部落差別に関する問題、性的指向及び性自認の多様性という四つの人権課題について個別の規定を設けるとともに、愛知県人権施策推進審議会を設置することとしている。
この条例を踏まえた施策の推進について、まず、本年4月1日に相談窓口機能を備えた人権啓発及び教育の拠点として、新たにあいち人権センターを県東大手庁舎3階に開設した。
相談窓口では4人の人権相談員が情報提供や助言、専門相談窓口や専門機関への案内を行うとともに、法的な解釈や助言が必要と考えられる場合には月に1回実施している弁護士による法律相談を案内し、5月末までに62件の一般相談及び1件の法律相談があった。
次に、インターネットの誹謗中傷等への対応としてはモニタリング事業を実施しており、差別を助長する悪質な書き込みについては、国の人権擁護機関である名古屋法務局へ削除要請を行っている。また、性的指向や性自認の多様性への配慮については、全庁的な認識の共有化を図り、本県の事務事業において配慮が必要な事項を検証するため、新たに性の多様性に係る庁内連絡会議を設置した。今後は条例の普及啓発を図るためのイベントを実施したり、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組も進めていく。こうした施策を行うことにより、条例をより実効性のあるものにしていきたい。
69: 【高木ひろし委員】
インターネットモニタリングについては、条例施行に先立って試行的に実施しており、こうしたモニタリングによって悪質な書き込みだと判断されたものについては名古屋法務局へ削除要請をしているということであるが、5月15日の新聞報道によると、法務局がプロバイダーに削除要請しても、そのうちの3割は削除されておらず、要請が無視されているという記事が掲載されていた。本県から法務局へ削除要請した事案は、その後どうなっているのか。
70: 【人権推進課長】
インターネットモニタリング事業については、新型コロナウイルス感染症、部落差別、外国人、障害者の四つの分野を対象として実施しており、受託事業者から誹謗中傷など有害と考えられる書き込みが報告された場合には、人権推進課でその書き込み内容を精査し、国の取扱い等に照らして、差別を助長する悪質で違法性が高いと考えられる書き込みについては、国の人権擁護機関である法務局に削除要請をしている。
昨年度、試行的に実施したモニタリング事業では655件の有害な書き込みが報告されたが、例えば特定の地域を被差別部落であると指摘するなど、違法性が高いと考えられる書き込み19件について、法務局に削除要請した。
本県から法務局に削除要請した案件については、法務局で内容を確認し、人権侵害に関する専門的な知見を有する者が多段階的にわたり違法性や削除要請の必要性について慎重な検討を加えた後、プロバイダーに削除要請されると認識している。
どの案件についてプロバイダーに削除要請したかという情報までは、法務局から得ることはできないが、本県から法務局に対して削除要請した案件については削除されるまで、当課の職員がモニタリングを継続することとしており、昨年度要請した19件のうち13件が削除されたことを確認している。
なお、法務局に削除要請した事案の対応状況や結果については、できるだけ自治体へ情報提供するよう、都道府県及び政令市で構成される全国人権同和行政促進協議会を通じて法務省に働きかけている。
本年度は5月末までの2か月間で新たに142件の書き込みを確認し、そのうち4件を削除要請しているため、これらについても削除されたかどうか、引き続き確認していく。
71: 【高木ひろし委員】
インターネットという、原則自由に情報が飛び交う空間に出たものが法律を背景に削除を求めることは、相当な法的な根拠を示さなければ実効性が上がらないと思う。国は法的な整備を急いでいるため、それに沿ってモニタリングの成果を実際の差別情報の削除へと結びつけてほしい。
次に、本県の条例に初めて文言として性的少数者への配慮が明記されたことは評価するが、庁内連絡会議では具体的にどのような検証を行うのか。また、どのような検討課題が本県の事務事業において想定されるのか。
72: 【人権推進課長】
性の多様性に関する庁内連絡会議は、全庁的な認識の共有化を図るため各局の主管課に加え、関係の深い課室を合わせた33課室で構成しており、本年5月23日に第1回の会議を開催した。この会議では、性的少数者に対する基本的な知識のほか、他都道府県の取組状況等の情報を協議した。
今後は、庁内各課室における性の多様性への配慮に関する取組状況や課題について調査を行い、調査結果を踏まえ、引き続き会議で協議していきたい。
現時点での検討課題としては、窓口対応の留意点や申請書等における性別記載欄の必要性などが想定されているが、具体的には、庁内各課室に対する調査の結果や他都道府県の取組などを踏まえて検討を行う。
また、検討の過程の中で横断的な取組が必要な事項については各局連携の下、その対応策を協議していきたい。
県庁内においても性的指向及び性自認の多様性についての理解が増進され、性的少数者へ配慮した取組が図られるよう引き続きしっかりと取り組んでいく。
73: 【高木ひろし委員】
性別記載欄の有無については、その必要性を根本的に検証することが必要である。行政施策は世帯単位で行われることが多いため、同性のカップルが世帯と認識されず、サービスを受けることができない。
例えば全国的にはパートナーシップ宣誓制度等、既に幾つかの自治体では制度が存在している。法律事項に至る前の段階ではあるが、実質的に世帯認定、夫婦認定の扱いをする手がかりを行政が認証することにより、同性のカップルが異性のカップルと同じようにサービスを受けられる効果があり、早急に検討されるべき課題だと考える。
最後に、愛知県人権尊重の社会づくり条例は本年4月1日に施行する部分と、本年10月1日に施行する部分に分かれている。10月1日に施行される、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組について、現時点での準備はどのようになっているのか。
74: 【人権推進監】
本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する規定については、本年10月1日から施行される。現在、施行に向けて大きく2点について準備を進めている。
1点目は、本県が設置する公の施設において、本邦外出身者に対する不当な差別的言動が行われることを防止するための許可、不許可の基準等についての指針策定である。各施設管理者は、施設利用の目的や内容から本邦外出身者に対する不当な差別的言動が行われるおそれがある場合には、この指針に基づいて施設利用の許可、不許可の判断をすることになる。
2点目は、県の区域内の道路、公園など公共の場所で本邦外出身者に対する不当な差別的言動がある表現活動が行われた場合、愛知県人権施策推進審議会の意見を聴いた上でその差別的言動の概要を公表することになるため、その具体的な手続について整理をしている。
今後、公の執務に関する指針及び概要の公表の手続については、愛知県人権施策推進審議会での審議を経て、この条例の全部施行日である10月1日から運用する。
なお、条例の規定の適用に当たっては、表現の自由、その他の憲法の保障する国民の自由及び権利を不当に侵害することがないよう十分留意する。
75: 【高木ひろし委員】
この部分はパブリックコメントにおいても、多くの意見が集中した部分であり、ヘイトスピーチに対する規制の在り方に関しては、先行する幾つかの自治体の事例が既に存在する。
罰則を伴うもの、事前規制に重点を置いたもの、氏名の公表まで含めて社会的制裁効果を期待しようとするものなど様々な方法がある。県としては、先行自治体である東京都、大阪府、神奈川県川崎市の事例を十分検討し、説得力のある指針を策定し、10月1日の施行に備えてもらいたい。
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